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2006.01.29 Sun

生きている人間の愛情~『ハルカ・エイティ』~

原稿中からベッドサイドにじりじりとスタンバイしていた『ハルカ・エイティ』(姫野カオルコ)読了しました。

たとえばハルカの人生を年表にして見せられても、特に興味は引かれなかったと思う。(その友達の由里子や日向子の年表ならおおいに引かれただろうけど。)
でもこの、1920年生まれのハルカという女性の人生の物語を読み終えて、本を閉じて、灯りを消して、眼を閉じて、私の全身はじわじわと幸福感に満たされたのです。柔らかなシーツと毛布が体温と心地よく馴染んでいくように。
安直な喪失などでなく、つよくふかく満ち足りた涙をながせることのなんて幸福なこと。

彼女が魅力的なのは、彼女がいつも、相手に対して、また自分の感情に対して、きちんと向き合っているからなのだろう。しかも希望を持って。
だから彼女の遭遇した不運な出来事も幸運な出来事も、魅力的な物語になる。

そしてひとつの人生を生きている人間の愛情、というものを思う。
それは全て捧げるものでも、残さず奪うものでもないのだろう。
すれ違ったり勘違ったりしながらほんの時折、互いを確かに感じる瞬間を持つ。
そんな瞬間をつくりだせるようになってゆく。
そういうものなのだろう。

ごく普通で、他のどこにもない、とても幸せな人生をみせてくれてありがとう。
幸福な一冊でした。
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