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2006.02.26 Sun

理性で理不尽に立ち向かう~『精霊の守り人』~

上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』読みました。

なんて渋い児童文学…!
だって冒頭、主人公の女用心棒の描写が「バルサは今年三十。さして大がらではないが、筋肉のひきしまった柔軟なからだつきをしている。長いあぶらっけのない黒髪をうなじでたばね、化粧ひとつしていない顔は日にやけて、すでに小じわがみえる。」…ですよ!

すごくダイナミックに世界を描きつつ、隅々まで理性的。
そのことが理不尽な世界に生きる哀しみを丹念に描きながら、それを遥かにしのぐ清々しさをみせてくれる。

わたしが本来苦手とする戦闘シーンも魅力的。
スピーディで、ひとつひとつの動きに理屈があり、しっかりと痛みも感じさせる。
主人公(そしてたぶん作者も)が「えらぶ道のない人の死がたまらなくいや」だと感じているところもいいです。

文化人類学の学者である作者の知識に裏打ちされた冷静で公平な視点。
人の世の矛盾や理不尽に辟易した大人にこそお薦めしたい物語です。
もちろん子供にも。これから出会うであろう理不尽に、希望を失わないための旅支度として。
そして単純に心を温めるために。
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